受診案内

キリストの愛と確かな医療をもって心と体のいやしをめざします。

診療科紹介

女性医学ってなんだろう?と疑問に思う方が多いかもしれません。

産婦人科学の分野は4つの専門分野があり、①妊娠・分娩に関連した周産期医学、②婦人科がんなどの腫瘍を扱う婦人科腫瘍学、③不妊症に関連した生殖医学、そして4つ目にあるのが④女性医学です。女性医学は、女性に特有な心身にまつわる病気を予防の観点から取り扱う領域で、治療医学から予防医学までが重要視されているといえます。

女性医学を取り扱う日本女性医学学会は、日本更年期医学学会から改名されました。更年期医学の研究が進むうちに、更年期にとどまらず思春期から老年期までそれぞれのライフステージにおける特徴を理解し予防的な治療を行うことが本質となったのです。

日本は女性の平均寿命が世界1位の長寿国です。その寿命まで健康で支障なく日常生活を送ることができたら幸せだと思います。骨粗鬆症や動脈硬化症、認知症などを防ぎQOL(Quality of Life:生活の質)を維持することで、更なる高齢化社会に向けて女性医学を役立たせたいと思います。

我々は、思春期から老年期まで全てのライフステージにおける女性特有の病態を把握して診断治療をし、心とからだがいきいきとした状態を保てるように女性のQOLの維持・向上を目指します。

担当医 原田佳世子

担当医師 プロフィール

原田 佳世子 / Kayoko Harada

周産期医療、遺伝相談、婦人科疾患、また更年期などいわゆる女性医学の領域を担当しております。各々の年齢の女性の諸症状を改善できるように、不安な気持ちを支えサポートできる医療を提供したいと思います。気になることがあれば気兼ねなくお話しください。

役職
  • 周産期部長
出身大学
  • 2000年 兵庫医科大学卒業
  • 2008年 兵庫医科大学 大学院修了(医学博士)
得意・専門分野
  • 周産期医療
  • 女性ヘルスケア(月経関連、更年期関連など)
  • 産科婦人科一般
  • 骨盤臓器脱手術
専門医等
  • 日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
  • 日本女性医学学会認定 女性ヘルスケア専門医
  • 検診マンモグラフィー読影認定医
  • 日本産科婦人科遺伝診療学会認定医
  • 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了
  • 産婦人科指導医
  • 母体保護法指定医

 

取り扱っている主な疾患と治療

ライフステージごとに起こりやすい疾患

女性は、女性ホルモン(エストロゲン)分泌量の変化に伴い体調や健康が変化します。ひと月に1回訪れる月経周期により女性ホルモンは1ヶ月の中で大きく変動し、自律神経のバランスが乱れやすくなり、諸症状がでてきます。また思春期から老年期までにエストロゲンが増減して以下のような症状が現れます。

思春期

月経痛、月経不順、無月経など。子宮や卵巣に器質的疾患がないか調べるために超音波で検査を行いますが、患者さまの状態にあわせてお腹からの超音波やMRIで検査することが可能です。

性成熟期

月経前や月経中におこる不快な症状として、例えば、月経困難症や月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)などがあります。子宮内膜症や子宮筋腫による諸症状もみられます。個々の患者さまの症状にあわせて、内科的治療や外科的治療を相談させていただきます。

更年期

閉経の5年前後にホルモンバランスの乱れからくるほてり、のぼせ、発汗、精神症状がみられます(更年期障害)。女性ホルモンや甲状腺ホルモンなど血液検査を行います。ホルモン補充療法や漢方による治療やその他代替治療など相談させていただきます。

老年期

生活習慣病(高血圧、肥満、糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症)などの疾患がでてきます。女性では女性ホルモンであるエストロゲンが動脈硬化に対して保護的に働くため閉経前では動脈硬化は非常に少ないですが、50歳以降になると、急速に女性の動脈硬化が増加します。閉経頃から高LDLコレステロール血症の増加、内臓脂肪蓄積型肥満を基盤としたメタボリックシンドロームの増加が大きく関与してきます。また50~60代以降には、子宮脱(骨盤臓器脱)腹圧性尿失禁・萎縮性腟炎なども発症しやすくなります。こういった疾患の予防的観点からも適切な検査と治療を行っていきたいと思います。

月経周期による生活の質の変化

月経周期は女性の生活の質に影響を及ぼします。月経周期による生理的変化は、有経女性の80~90%におきます。治療の対象となる月経前症候群(PMS)は有経女性の20~40%、月経前不快気分障害(PMDD)は有経女性の5~8%にみられます。

PMSやPMDDは、うつ病などの基礎疾患以上に生活の質に影響する場合もあります。

月経困難症/月経前症候群(PMS)等の治療
  • 月経困難症、月経前症候群(PMS)などで使用する低用量ピルには、月経に関わる諸症状の改善が期待されます。
  • 副作用を見逃さないよう、低用量ピル使用時は下記のようなスケジュールで処方・定期検査を実施しています。
  • 乳がんは、がんの中でも日本女性がかかる割合がトップで、11人に1人がかかると言われています。ピルの服用に関わらず、乳がん検診を受けて早期発見につとめましょう。
低用量ピル開始時
  • 初回処方時に問診チェックシート記入
  • 超音波・子宮頸がん検診
  • 乳がん検診の受診歴を確認
  • 1か月分の薬を処方
  • 1か月後の診療予約

開始から1か月後
  • 症状確認
  • 採血検査
  • 下肢超音波検査
  • 子宮頸がん検診結果説明
  • 3ヶ月分の薬を処方

以降、3ヶ月ごと
  • 症状確認
  • 血圧・体重測定
  • 超音波検査(婦人科疾患がある場合)
  • 3ヶ月分の薬を処方

※1年ごとには、採血・超音波検査・子宮頸がん検診・乳がん検診も行います。

 

診療実績

当院での症例事例

  • 更年期障害
  • 動悸
  • 月経困難症
  • 月経前症候群
  • 過多月経
  • 月経不順
  • 膀胱瘤
  • 子宮脱

お知らせ

神戸アドベンチスト病院は「日本女性医学学会 女性ヘルスケア認定研修施設」であり、その暫定指導医、専門医が在籍しております。