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キリストの愛と確かな医療をもって心と体のいやしをめざします。

出生前診断・遺伝相談

出生前診断とは?

出生前診断は、胎児に先天性の病気、奇形、染色体異常がないかどうかを調べる検査の総称です。
当院では以下3種類の検査を受けることができます。

  1. 「クアトロ検査」
  2. 「NIPT検査」
  3. 「羊水検査」

どの検査を受けるにしても、まず「遺伝相談外来」で遺伝カウンセリングを受けてからの実施となります。

遺伝相談外来のご案内

【遺伝相談外来診療日時】

日曜日・水曜日 14:00~16:30
※ホームページでご確認ください。それ以外の日時でもご相談上、調整可能です。

【完全予約制・予約方法】

※当院で妊婦健診を受けている妊婦様は、産婦人科外来へお電話でご予約ください。
※個人でご予約を希望の方は、TEL 078-981-0161(代表) 産婦人科外来でお尋ねください。

【紹介状用紙】

遺伝相談外来 予約申し込み書  ※リンク設定

【費用】

初回カウンセリング ¥6.000円 (当院で健診中の方 \3.000)
2回目以降カウンセリング ¥3.000円 /30分 ~ 時間によって変わります (他院・当院の方共に)
結果陰性で特別なカウンセリングを要しない場合 ¥1.800 (当院で健診中の方 \1.000)

① クアトロ検査

妊婦さんの血液中の4種類の成分(AFP・非抱合型E3・hCG・インヒビンA)を測定することで、胎児がダウン症候群・18トリソミー・開放性神経管奇形(二分脊椎や無脳症など)である確率を予測する検査です。

クアトロテストは、母体年齢を中心にその他の要因を組み合わせて確率を算出するため(下図)、年齢の高い妊婦さんほどクアトロテストの検査結果の確率が高くなる傾向があります。

クアトロ検査は確定検査ではありませんので、確率が高いと出た場合には羊水検査をお勧めします。

ですから、「羊水検査は怖くて受けたくないのでクアトロ検査だけを受けたい」と思われている方にはお勧めできません。詳しくは、遺伝相談外来でお話をします。

クアトロテストの実施時期: クアトロテストの検査推奨時期は、妊娠15週0日から17週頃までです。クアトロテストの結果をみてから羊水検査を実施するため、妊娠17週頃までに検査を受けることが望ましいです。

②「NIPT検査(無侵襲的出生前遺伝学的検査)」

【NIPT検査とは?】

妊婦さんの年齢が高くなると、染色体異常の赤ちゃんを出産する頻度が高まります。
最近は、高年妊婦の増加に伴い、赤ちゃんの染色体疾患を心配される妊婦さんも増加して来ています。また、超音波検査の診断技術も向上し、妊娠の早い時期に胎児の染色体疾患を疑うこともできるようにもなってきています。これらに対して、確定診断として「絨毛検査」や「羊水検査」を行うこととなります。しかし、羊水検査には0.3%、絨毛検査には1%程度の流産の危険があり、母体にとっても胎児にとっても危険の少ない検査法の開発が待たれていました。

NIPT(non-invasive prenatal genetic testing)は、無侵襲的出生前遺伝学的検査/新型出生前診断/母体血胎児染色体検査など様々な名称がありますが、
妊婦さんの血液検査で胎児の染色体疾患を見つけようという検査です。

妊婦さんの血液中には妊婦さん自身のDNA断片と共に、胎盤に由来する胎児のDNA断片が少量含まれていることがわかっています。それを特殊な機械を用いて母体血中のDNA断片の遺伝子配列を解読することで、それぞれのDNA断片が何番染色体に由来しているかを判定し、胎児の染色体数の異常を高い精度で検出する検査がNIPTです。

よって、母児にとって無侵襲的で流産の心配のない検査です。
詳細についてはNIPTコンソーシアム、日本医学会臨床部会運営委員会、NIPT兵庫のホームページでご確認ください。

NIPTは、胎児の13,18,21番染色体の数が正常であるか、増加する異常を持っているかどうかを調べる検査です。従来の採血による母体血清マーカー検査に比べて精度が非常に高いですが、確実に診断できるわけではありません。また、開発されて間がない検査方法であり、2013年より日本では臨床研究として実施されています。
当院でのこの検査はNIPTコンソーシアムの臨床研究として行っております。詳しい内容はNIPTコンソーシアムホームページでご確認ください。

【NIPT検査の制限】

NIPTは日本において、現時点でどこででも受けられる検査ではなく、日本医学会が認定した限られた施設(正確で詳細な遺伝カウンセリングを提供できる施設)で行われる限定的な検査とされています。
認定施設は、NIPTコンソーシアム日本医学会のホームページでご確認ください。この検査は非確定的検査で、検出できる染色体疾患はダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの3種類のみです。

【NIPTの対象となる条件】
  1. 高年妊娠の妊婦さん
    (分娩予定日に35歳以上の妊婦、但し体外受精症例は採卵時年齢が34歳2ヶ月以上の妊婦)
  2. 染色体疾患
    (21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)の子供を妊娠、分娩した既住がある妊婦さん
  3. 胎児が染色体疾患
    (21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)である可能性の上昇を指摘されている妊婦さん

―超音波検査や母体血清マーカー検査で、胎児が上記の染色体疾患である可能性の上昇を指摘されている場合
―両親のいずれかが、上記の染色体疾患に関わる転座染色体保因者である場合

【NIPT検査結果の解釈について】
a.「陰性」の場合

対象の染色体疾患である可能性は極めて低いと解釈します。
「99.99%の確率(陰性的中率)で染色体疾患の赤ちゃんを妊娠していない」と解釈します。
対象の染色体疾患である可能性は0ではないですが極めて低いです。
わずか(0.01%)に偽陰性(対象の染色体疾患であるのに陰性とでる)がありますが、侵襲的検査による流産率に比較して極めて低いです。流産リスクのある羊水検査などの追加検査はなしでそのまま経過をみるという判断が妥当とされます。

b.「陽性」の場合

対象の染色体疾患である可能性が高いと解釈します。ダウン症候群が「陽性」と診断された場合、本当にダウン症候群である確率は35歳の妊婦さんで84%程度です。
この陽性的中率(結果が陽性であった場合に本当に胎児が対象の染色体疾患である確率)は年齢が高年になるほど高く、年齢が若いほど低くなります。
※ 13トリソミー、18トリソミーの陽性的中率はダウン症候群に比べて低くなります。
・年齢が低い場合ほど「陽性」でも、実際は対象疾患ではない可能性が高まります。
・結果が陽性でも赤ちゃんが本当に対象の染色体異常症であるかを確認するためには、羊水検査などの確定診断検査を必ず受けてください。

c.「判定保留」の場合(最終的に500人に1人程度が判定保留になる可能性があります)

・母体血中の胎児由来のDNA量が少ないことが原因の1つと考えられます。
・胎児由来DNAは妊娠経過とともに増加すると考えられますので、時期的に余裕があれば、再度採血をして検査をすることができます(再検査の費用は無償です)。もしくは、羊水検査などの確定診断検査を受けることもできます。

【NIPTの流れ】

【NIPT検査の費用】

遺伝相談外来のカウンセリング費用と…

【NIPTの詳細については下記をご参照下さい】

NIPTコンソーシアム http://nipt.jp/index.html

日本医学会臨床部会運営委員会 http://jams.med.or.jp/rinshobukai_ghs/index.html

NIPT兵庫 http://nipt.hyogo.jp/

③「羊水検査」

【羊水検査とは?】

胎児は羊水につつまれて発育しますので、羊水中には胎児の細胞が含まれています。この羊水を採取することにより、胎児の染色体を調べることができます。これが羊水検査で、当院では通常、妊娠16週~18週(遅くても~19週まで)で行っています。胎児に染色体の
変化(染色体異常)があるかどうかを、胎児の染色体で直接調べるため確定診断検査となります。

【羊水検査の方法】
  • まずエコー(超音波断層法)で胎児の状態を確認します。具体的には胎児の心拍動や発育、羊水量が正常で、胎盤の位置が穿刺の妨げにならないことを確認します。
  • 次に妊婦さんのおなかを消毒した後、超音波(エコー)で見ながら妊婦さんのお腹に細い針を刺して羊水(15ml)を採取します。
  • 通常は1回の穿刺で終わりますが、稀に羊水が採取しにくい場合は、2~3回の穿刺を行う場合もあります。穿刺している時間は、ほんの30秒くらいです。
  • その後、約1時間の安静を保ちます。そして再びエコーを行って、異常がなければ薬が処方され、次回受診日を決めてから帰宅していただけます。
  • 検査開始から終了までは約2時間程度です。
【費用】

羊水検査は健康保険の適応がありませんので、全額自費となり約12万円です。

【検査結果】
  • 羊水を採取してから検査結果がでるまで、約3週間かかります。原則として、結果説明は検査日から数えて3週間後の遺伝相談外あるいは妊婦健診時に行います。詳しい日時は羊水検査終了後に担当医より指定されます。
【羊水検査の危険性と限界】
  • 羊水検査後に胎児が流産する可能性が約0.1~0.3%(1000人中1~3人)程度あります。しかしこの時期に自然に流産する場合もあり、これらの方は羊水検査を受けなくても流産をしたのかもしれません。また、穿刺した穴から羊水か漏れ出る場合もあります。この場合は入院して安静にすることで穴がふさがり、流産にまで至らない場合もあります。
  • 羊水穿刺後に出血や破水、下腹痛が生じると、そのまま入院が必要になる場合もあります。このようなことが100名に1名程度あります。
  • 約1.5%(1000人中15人)くらいの確率で、羊水を採取できてもその中の胎児細胞が2週間経っても増えてこない場合があります。この場合には染色体が見えず、診断不能となります。2週間経った時点でこのような状態の場合は、こちらからご連絡しますのでご希望があってしかも週数に余裕があれば、再度羊水穿刺を行うことは可能です。
  • 双胎などの多胎妊娠の場合には、すべての胎児の羊水が採取できなかったり、できても別の胎児の羊水が混じっていたりして、診断が不正確になることがあります。そのため、最初に採取した胎児の羊水中に色のついた液(インジゴ色素液)を添加しておき、次の胎児の羊水と区別できるような方法をとっています。それでも胎児を隔てる羊膜を通じて羊水の交流があったりし、絶対確実に各胎児の羊水のみを採取できるとはいえません。また検査結果で一方の胎児に染色体異常が判明した時には、お腹の中の胎児は羊水検査穿刺時と胎児の位置が変わっているため、どちらの胎児が異常なのか判別できないこともあります。
  • 染色体検査は専門の医師や技師が目で見て診断をしていますが、染色体の数が増えたり減ったりする数の異常に関しては、まず診断は正確に行なえますが、染色体の構造の異常に関してはわからない場合があります。特に羊水を用いた染色体検査では、大人の血液を用いた染色体検査に比べ細かいところが分かりにくいのです。
  • 稀なことですが、一人の胎児が正常と異常の両方の染色体をもっている場合があります。つまり体の一部は正常染色体を持った細胞で、一部は染色体に異常を持った細胞という場合です。これを“染色体モザイク”と呼びます。このような状態の場合、検査の時に正常と異常の両方の細胞が見つかれば、モザイクの診断が可能です。しかし正常細胞ばかり増えてくる場合、もしくは両方の細胞が増えても、正常細胞しか検出されなかった場合は、生まれてから初めて正常の細胞と異常の細胞の両方を持った染色体モザイクの赤ちゃんであるということが判明する場合があります。このような場合には羊水検査で正常であっても、生まれた後に染色体異常がみつかるということがあります。
  • 染色体の形は人間の顔つきと同じで、それぞれ個性があります。異常を起こすことはないけれども、通常はあまり見られない形を“正常異型”と呼び、こうした染色体が羊水検査でみつかることがあります。その場合にこれが“正常異型”なのか“異常”なのか判断がつかないことがあります。この場合にはご夫婦の染色体検査が必要になってきます。例えば羊水検査でみつかった判断のつかない染色体の変化を、ご夫婦のいずれかがお持ちであれば、ご夫婦はともに正常なわけですから、胎児も正常と考えられます。つまり“正常異型”で個性の範囲ということです。逆に、ご夫婦ともにその染色体をお持ちでなければ、これは妊娠の段階で起こったことと考え、“異常”の可能性が考えられます。
  • 妊婦さんがウイルス肝炎の保因者であったり、血液型がRh陰性であったりした場合には、羊水検査時に問題が生じることがあります。ウイルス肝炎の保因者の妊婦さんの場合、穿刺時に母体の血液がわずかに羊水に混じる可能性があり、その際に肝炎ウイルスが胎児に感染する可能性が完全には否定できません。ただ当院では、明らかに羊水検査で感染した例はこれまでに経験していません。またRh陰性妊婦さんの場合には、もし胎児がRh陽性であった場合に、胎児血が母体血に混じることがあると、妊娠中後期に胎児の溶血を引き起す可能性があります。この場合には、検査終了直後に予防のため抗Dグロブリンを妊婦さんに投与します。
  • 結果判定は「染色体異常」についてのみ行うものですから、その他の胎児の奇形や病気、妊婦さんの妊娠中の合併症などを予測することはできません。従って検査結果が正常であっても健常な赤ちゃんが必ず生まれるという保証はありません。