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子宮鏡下手術
子宮鏡下手術とは?
子宮鏡下手術とは、子宮用の内視鏡(子宮鏡)を子宮の入り口から挿入し、子宮鏡の先端にある電気メスを操作して、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの病変を切開・切除する手術です。子宮内の様子は、子宮鏡に内蔵のカメラからテレビモニターに映し出され、医師はその画面を観ながら処置を行います。腟から直接子宮内へ内視鏡を挿入しますので、切開等の傷は無く、体への負担が少ない手術です。
子宮鏡下手術が有効とされる疾患
- 子宮粘膜下筋腫
- 子宮内膜ポリープ
- 中隔子宮
- 子宮腔内癒着症
など、子宮の内腔に存在する病変が適応とされます。
子宮筋腫と子宮内膜ポリープ
子宮筋腫は、小さな筋腫でも子宮の内腔に接している場合には月経が多くなり貧血の原因になってしまうことがあります。また、筋腫が子宮内腔にできている場合には月経時の子宮の収縮が強まり、月経痛がきつくなることがあります。他にも子宮筋腫が原因で、受精卵の着床を妨げ不妊症となること、着床しても胎児が育たない不育症の原因となることがあります。
子宮内膜にできたポリープも不妊症や不正出血の原因になります。
子宮鏡下手術の方法
- 子宮鏡を無理なく入れるために、手術前日(入院当日)に子宮頸管に細い棒状の医療材料(吸湿性子宮頸管拡張材)を挿入します。
- 麻酔をしてから更に子宮頸管を拡張させた後、手術用の特殊な液体を子宮内に満たし子宮内を膨らませながら子宮鏡を挿入します。
- 子宮鏡で観察しながら、子宮鏡の先にある電気メスで切開と止血処理を繰り返しながら病変を取り除きます。
- 筋腫の大きさにもよりますが、およそ15~60分で手術は終わります。子宮内膜ポリープの場合は10分程度で終わります。
子宮鏡下手術のメリット
- 開腹手術や腹腔鏡手術と違い、お腹に傷ができません。
- 個人差はありますが、術後の痛みがほとんどありません。
- 短期入院(2泊3日)で済み、社会復帰がすぐに出来ます。
- 過多月経や月経痛に対して非常に有効な手術です。
子宮鏡下手術で注意すべき点
- 子宮穿孔が生じた場合には開腹手術または腹腔鏡手術に切り替えます。
- 大きな病変の場合は数回にわけて手術を行うことがあります。
- 手術用の特殊な液体使用によって、極めて稀に水中毒という合併症を起こす場合があります。
子宮鏡下手術についてのよくある質問
Q:麻酔について教えてください
A:当院では、全身麻酔または腰椎麻酔による子宮鏡下手術を行います。麻酔は麻酔科医によって実施いたします。
Q:どのくらい入院するのですか?
A:通常は、手術の前日にご入院いただき、術後問題がなければ手術翌日に退院できます。
Q:術後に運動してもよいのですか?
A:退院後は通常の生活に戻って差し支えありません。ただし、激しい運動や温泉入浴については術後検診が終わるまで控えてください。
Q:術後の夫婦生活、妊娠について教えてください
A:術後1回目の月経期間は夫婦生活を控えてください。2回目の月経より妊娠は可能になります。