キリストの愛と確かな医療をもって心と体のいやしをめざします。
高血圧症は、古くから「サイレントキラー」と呼ばれ、症状がないまま脳卒中や心臓病、腎障害を起こすことで知られ ています。最近のデータでもその危険性が再認識され、より厳密な管理が求められています。
血圧120/80mmHgの正常値の人と比べると、140mmHg以上で脳卒中も心筋梗塞も3倍になり、180mHg以上で脳卒中8倍、循 環器死亡率は5倍になることが知られています。
※30~64歳では、血圧180mmHgの心臓死のリスクは、正常値の人に比べ なんと17倍以上です。若年者ほど降圧は重要ですが、75歳以上でも3倍のリスクがあり、高齢の方でも慎重にきちんと下 げることが重要です。(立ちくらみなど血圧の下がり過ぎにも注意します。)
遺伝的素因など根本原因を治せない本態性高血圧が90%以上を占めますが、まれに二次性高血圧もありますので慎重な原因検索をお勧めします。
* NIPPON DATA 80 , J. Hypertention 2006
中度以上の高血圧では、最初から薬物治療が必要な場合もあります。
「降圧薬を始めたらやめられなくなるのでは?」
患者様からもっともよく受ける質問です。軽症高血圧では減塩、体重、節酒などによって服薬を中止できることもあり ます。また、血圧の上がる冬だけ服用する人もあります。しかし残念ながら年齢とともに血圧は上昇しますし、原因を治 す薬ではないこと、治療の最大の目的が適切な血圧を長く維持して、数年後に起こる脳卒中や心筋梗塞、腎不全を予防す ることですので長く服用することが原則です。
一方、二次性高血圧は、血圧を上げる他の病気が存在し、それを治すことによって薬が中止できることが あります。(睡眠時無呼吸症候群、腎血管性高血圧、ホルモン産生腫瘍、etc)
降圧薬の特徴 | |
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カルシウム拮抗薬 |
アムロジン、アダラートCR、アテレック、ノルバスク、他 |
ARB (アンギオテンシンⅡ 受容体拮抗薬) |
エカード、オルメテック、コディオ、ディオバン、プロプレス、ミカルディス |
ACE阻害薬 (アンギオテンシン 変換酵素阻害薬) |
エナラプリル、リシノメルク、レニベース、他 |
利尿薬 |
アルダクトンA、ダイアート、ダイクロトライド、セララ、フルイトラン、ラシックス、他 |
ベータ遮断薬 |
アーチスト、インデラル、テノーミン、メインテート、セロケン、ロプレソール |