受診案内

キリストの愛と確かな医療をもって心と体のいやしをめざします。

カテーテル検査・治療

カテーテル検査・治療とは?

カテーテルと呼ばれる合成樹脂でできた細長い管を、手首や太ももの付け根にある血管から挿入して心臓や患部まで到達させます。これにより、冠動脈狭窄の診断を行ったり、詰まってしまった血管を広げたり、患部を焼灼するなどの治療を行います。

心臓カテーテル検査

  • 冠動脈狭窄の正確な診断を約10分で行います。
  • 患者さまの負担を最小限にする工夫をしています。(ジャドキンス法、ソーンズ法、皮膚麻酔シール)
  • 利き腕の反対の手首から行います。
  • 検査後、すぐに歩行やトイレが可能です。
  • 状況によって日帰り検査が可能です。

カテーテル治療

経皮的冠動脈形成術(PCI)
適応疾患:狭心症・心筋梗塞など

心臓は体内でポンプとして働き、血液を全身に送り出していますが、心臓自身も生きるため3本の冠動脈を持っています。この冠動脈が動脈硬化によって詰まってくる病気が、狭心症や心筋梗塞です。血管の詰まりによって極端な血液不足が続くと筋肉の壊死を起こすこともあり、時に命に関わる疾患です。

カテーテルによる血管狭窄の治療は、経皮的冠動脈形成術(PCI)と呼ばれます。手首や太ももの付け根にある血管からカテーテルを挿入し、心臓まで到達させたのち、狭くなったり詰まったりしている血管の血流を回復させる治療を行います。

まずはカテーテルを冠動脈の入り口まで挿入します。ガイドワイヤーと呼ばれる細い針金を狭窄部分に通し、そこへ『バルーン(風船付き)カテーテル』を移動させ、バルーン(風船)を膨らませて狭窄部分を押し広げます。狭窄部分を拡張した後、その部位にステントをいう高性能の金属でできた金網を広げて血管をしっかり支えます。

ステントはベアメタルと薬剤溶出性ステントの2種類があり、薬剤付きステントの場合は、薬剤が血管壁に浸透して再狭窄を防止します。ステントは患者様に最適のものを選択して使用します。質の高い治療のために冠動脈内超音波(IVUS)も適宜行います。

PCIの約90%は、患者様にとって負担の少ない手首からの治療が可能です。

治療の所要時間は平均40分程度ですが、救急車で搬入されるような緊急重症例では2時間程度かかることもあります。 入院期間は心不全の合併のない場合、およそ3~7日です。

下肢血管治療(EVT)
適応疾患:下肢閉塞性動脈硬化症・静脈血栓など

糖尿病などで下肢の動脈が閉塞し、血液が末端まで行かなくなる病気が増えています。高度になると『壊疽』といって切断の危険も生じます。動脈の狭いところをバルーン(風船)で広げるカテーテル治療で下肢切断を免れることもあります。

カテーテルによる下肢血管治療では、肘の内側または太ももの付け根の動脈から局所麻酔下で治療用カテーテルを挿入し、血管の狭窄および閉塞部をバルーン(風船)で広げる治療を行います。

近年、カテーテルやステントなどの進歩により、血管内治療成績が向上し、下肢動脈の太い部分では治療方法の第一の選択肢となる場合も増えてきました。なお、ステントが使用できない股関節や膝下の細い動脈に狭窄がある場合は外科的なバイパス手術が有効です。

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)
適応疾患:心房細動など

近年、心房細動の発症機序の一部が解明され、また『カテーテル・アブレーション』という根本的治療法が開発されました。

アブレーションとは医学では「焼く」といった意味ですが、イメージとしては皆さんご存知の「お灸」を思い浮かべてください。昔は開心術と言って実際に胸を開ける手術により治療していましたが、現在ではカテーテルという細い管を使って遠隔操作で行います。

心房細動という不整脈を起こす原因となる場所を見つけ出し、そこにお灸をすえる、すなわち焼灼して心房細動を引き起こす悪い信号が出てこられない様にします。

具体的には足の静脈からカテーテルを挿入し、3D-ナビゲーションシステムという装置を使ってカテーテルを目的地に誘導します。これは皆さん良くご存じのカーナビと同じ原理ですが、カーナビが地球上のどこにいても皆さんの車の位置をピンポイントで判断するのと同じように、心臓の中でのカテーテル先端の位置を正確に教えてくれます。これにより、アブレーションの治療成績および安全性は飛躍的に向上しました。

最近の研究では、アブレーション実施例は非実施例に比べて、正常なリズムを維持する効果が高く、長期的に見て脳梗塞発症率及び死亡率のいずれもが低いことが示されています。さらには心不全の予後改善効果、及び認知症発症リスクの低減効果も認められています。

心房細動は無症状の事も多く、たまたま健診で指摘された方も多くおられます。しかしいったん症状が出ればその影響は大きく、取返しのつかない事態になるやもしれません。転ばぬ先の杖にて治療を行っておくことが勧められます。開心術と違って体への負担も少なく、当院では2泊3日あるいは3泊4日での治療を行っています。最近ではお元気な高齢者も多く、そういった方々にも治療の適用が可能です。いつでもお気軽にご相談ください。

当院でのカテーテル検査・治療の実績について